角層内の水の種類(自由水と結合水)について

皮膚の角層内には、水分がさまざまな形で存在しています。本記事では、角層内の水分がどのように分類されるか、そしてその役割について詳述いたします。

角層内の水分の分類

角層内に存在する水分は、以下の2つに大別されます。

1. 自由水

二次結合水の容量を超えて角層が水を含んだ場合に存在する水分。これは角層に一時的に存在するもので、容易に蒸発してしまいます。

2. 結合水

角質細胞間脂質やアミノ酸などと分子結合した水分。結合水はさらに、一次結合水と二次結合水に細分されます。

  • 一次結合水:角層の構成分子と強固に結合し、硬く乾燥した角層中にも存在する水分。角層の基盤を形成し、乾燥した環境でも存在するため、皮膚の基本的な保湿機能を担っています。
  • 二次結合水:角層の構成分子と非常に速やかに結合するもので、乾燥した状態でもゆっくりと解離するため、角層の水分保持に大きく関与する水分です。比較的緩やかに結合・解離を繰り返し、角層の柔軟性を維持します。

角層内の水分は、皮膚の健康を維持するために不可欠な要素です。特に、一次結合水と二次結合水のバランスが保たれていることが、皮膚の保湿機能とバリア機能の維持に重要です。