ほくろ
- 概要
- 分類
- 診断と検査
- 治療
- 注意点
1. 概要
漢字で書くと一般的には「黒子」で、母斑細胞母斑や色素性母斑とも呼ばれます。
皮膚腫瘍には良性の場合と悪性の場合がありますが、ほくろの多くは良性のものです。
母斑、形成異常、良性腫瘍の境界は不明な点も多くあります。
2. 分類
不明な点が多く、さまざまな分類があります。大きくは、先天性と後天性とに分けられますが、遅れて生じるものの中にも先天性母斑と同じ所見を有するものがあり、明確に分けることは困難です。組織学的な分類も年齢によって変化することもあり、やはり不明確と言えます。
3. 診断と検査
色素細胞母斑を診る上で重要な点は、経過の長さ・短さ、最近の変化がない・ある、柔らかい・硬い、大きさ、などになります。分類や部位を参考に、ダーモスコピーでの観察を行います。しかしながら、最終診断は組織を切除し、それを検査しないと決定できません。悪性がご心配な場合は、切除・検査をお奨めしています。
4. 治療
あまりにも良性像と異なっていれば、黒色種の可能性を考慮し、部分生検を検討します。診断に迷う場合は、切除生検をすべきと考えています。切除する際も、辺縁から何mmかのマージンをつけて切除を行うことが一般的です。
良性のものや小さいものは、レーザー治療も行っています。また、顔の目立つ部分にある場合、整容的側面からレーザー治療を行っています。レーザー治療を選択する場合、病理検査を行えないというのが欠点になります。
切除の場合、専門の形成外科医がきれいに縫うことで、傷はあまり目立たなくなることが多いです。当院では顕微鏡も導入し、傷をきれいに縫っており、傷跡は目立ちにくいと言えます。大きなものは切除に加えて皮弁術や植皮術が必要になる場合があります。
5. 注意点
治療後、辺縁から再発することがあります。また切除後の検査で悪性だった場合、近隣の大学病院や癌の専門施設に継続治療のご紹介をすることがあります。
治療を受けずに経過観察をする場合は、大きさの変化や形状の変化に注意してもらいます。急激な変化を認める場合は、早めに受診してください。