ステロイドの部位別吸収量

塗り薬の使用部位による吸収度合いの違いについてご説明いたします。特にステロイド外用薬を使用する際に重要ですので、ぜひご一読ください。

一人の患者さんの中でも、皮膚の状態や症状により、異なる部位に塗り薬を使用する必要があります。また、塗り薬は部位ごとに吸収される度合いが異なるため、使用部位により薬を変えることが大切です。

以下の表は、ステロイドの体の各部位における経皮吸収量を示しています。数値は前腕を1としたときの、皮膚への吸収の割合を示しており、部位によって大きな差があることがわかります。

  1. 頭皮: 吸収量 3.5
  2. 頬: 吸収量 13.0
  3. 前頸: 吸収量 6.0
  4. 腋窩(わきの下): 吸収量 3.6
  5. 背部: 吸収量 1.7
  6. 前腕(外側): 吸収量 1.1
  7. 前腕(内側): 吸収量 1.0
  8. 陰嚢: 吸収量 42.0
  9. 手掌: 吸収量 0.83
  10. 足首: 吸収量 0.42
  11. 足底: 吸収量 0.14

ステロイド外用薬は、その強さや吸収度合いに基づいて、適切な部位に使用することが求められます。特に吸収の多い部位(例えば頬や陰嚢)では、弱めの薬を用いることが多く、吸収が少ない部位(例えば手掌や足底)では、比較的強い薬が処方されることがあります。