ラメラ構造の形成について

皮膚の最外層を形成する角質層の重要構成要素である「ラメラ構造」についてご説明いたします。

ラメラ構造は、角質細胞間脂質によって形成される組織化された層状構造です。この構造は、表皮顆粒層に存在する顆粒細胞内の層板顆粒(ラメラボディ)に蓄積された前駆脂質から生成されます。

顆粒細胞が角質細胞へ分化する過程で形成されます:

1. ラメラボディから前駆脂質が細胞外へ放出されます。
2. 放出された前駆脂質は酵素修飾を受け、セラミド・コレステロール・脂肪酸などの角質細胞間脂質成分へと変換されます。
3. これらの脂質成分が再構成され、層状のバリアである脂質二重層ラメラ液晶構造を形成します。

この精緻なラメラ構造は、透過型電子顕微鏡下で観察すると、電子濃染層と電子淡染層が交互に配列した特徴的な像として認識されます。

ラメラ構造は皮膚のバリア機能において極めて重要な役割を果たしています。この構造の異常は、アトピー性皮膚炎や乾癬などの様々な皮膚疾患の病態と密接に関連しています。